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賦課(ふか)の基準
課税主体は、「その固定資産の所在する市町村」(地方税法第5条第2項)である。また、東京23区内では、区ではなく都が課税している(地方税法第734条)。
課税主体は、「その固定資産の所在する市町村」(地方税法第5条第2項)である。また、東京23区内では、区ではなく都が課税している(地方税法第734条)。
納税義務者は賦課期日に資産を所有する者、具体的には固定資産課税台帳に所有者として登録されている者である。登記の有無は関係ない。
ただし、質権または100年より長い存続期間の定めのある地上権目的の土地については、質権者または地上権者が納税義務者となる(地方税法第343条第1項)。
固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由によって不明である場合には、その使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる(地方税法第343条第4項)。
納税義務者やその同意を受けた者、土地家屋の賃借権者等は、固定資産課税台帳の記載事項の証明書を請求することができる。
賦課期日は毎年1月1日である。年の途中で売買等があって所有者が代わったとしても、1月1日現在の所有者として登録されている者が、その年の4月1日からの1年度分の税をすべて納付する。
一般的に公共の用に供する資産などのような所定の要件を満たす資産は非課税となる。また日本国内に存在しない資産等については課税されない。
納税については、市町村から送付される納税通知書によって納める(普通徴収)。市町村は遅くとも納期限の10日前までに納税通知書を納税義務者に送付しなければならない。納期は原則として4月、7月、12月、2月中において、市町村の条例で定めるが、特別の事情があるときは異なる納期を定めることができる。
税額の算出
税額は、課税標準に税率を乗じる事により算出する。税率は都道府県及び各市町村が設定することが可能で、標準税率は1.4%である。以前は2.1%までという限度税率の取り決めもあったが現在は廃止されている。免税点
市町村の条例で特に定める場合を除いて、課税標準が、土地の場合は30万円未満(一筆ごとではなく、同一の者が同一市町村内に所有する土地の合算である)、家屋の場合は20万円未満の場合は、非課税となる。評価額と課税標準額
総務大臣は、固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を定めた「固定資産評価基準」を告示しなければならず(地方税法第388条第1項)、市町村長は、この「固定資産評価基準」によって、課税標準となる固定資産課税台帳に登録される価格を決定しなければならない(地方税法第403条第1項)。
価格に不服がある場合は、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる。価格以外の登録事項について不服がある場合は、市町村長へ不服申立てを行う。なお通常、告示は3年毎に行われる。つまり、基準年度の価格が原則として3年間据え置かれる。
この評価基準により決定された評価額より課税標準額を求める。ただし政策目的による課税標準額の特例が存在する(多くは時限的な措置となっている。)。
固定資産税(土地)
土地の評価は「適正な時価」であり、当初は評価額による課税が行われていた。しかし、戦後の経済成長で地価が高騰し、評価額は時価から離れていることが問題となり、全国的な調査を基礎として、1964年(昭和39年)度から土地の評価を大幅に引きあげることとなった。
このままでは、土地のうち宅地の固定資産税金が6~7倍になるので、前年度の課税標準額と本年度の評価額を比較し、評価額が上回る場合はその格差に基づく(それより低い)負担水準を算出し、それを前年課税標準額に乗ずる方式(負担調整措置)が登場した。
この方式はその後も継続され、1970年代には、住宅用地の課税標準を低くする措置が追加された。さらに、バブル景気による地価の高騰の後、1994年(平成6年)度の評価基準の告示において、評価額の水準を地価公示価格の7割程度とすることとなったこと。
それまでは地価公示価格の3割程度であったので増税となるため、負担調整措置が見直され、住宅用地への課税標準特例も強化されている。
なお、この7割という水準は、地価が安定していた昭和50年代における固定資産税評価額の地価公示価格に対する割合だと説明されている[2]。
以上の経過により、土地の課税標準額を算定するには、1964年(昭和39年)度分から当該年度までの全年分課税標準額の計算をしなければならず、税額の計算を複雑なものにしている。
固定資産税(家屋)
通常、評価額が課税標準額となる。特例
- 住宅用地の課税標準の特例
- 住宅の敷地で住宅1戸につき200平方メートルまでの部分(小規模住宅用地)については、課税標準を登録価格の6分の1とする。200平方メートルを超え、住宅の床面積の10倍までの部分(一般住宅用地)については、課税標準を登録価格の3分の1とする。[3]
- 新築住宅の税額控除
- 平成26年(2014年)3月31日まで、新築の一定規模の住宅は、新たに課税される年度から3年度分(3階建て以上の耐火建築物、準耐火建築物は5年度分)、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額の半額が軽減される。
- 認定長期優良住宅の税額控除
- 平成26年(2014年)3月31日まで、認定長期優良住宅については、新たに課税される年度から5年度分(3階建て以上の耐火建築物、準耐火建築物は7年度分)、120平方メートルまでの居住部分に相当する固定資産税額の半額が軽減される。
- 住宅省エネ改修促進税制
- 平成25年(2013年)3月31日まで、賃貸住宅を除く平成20年1月1日にすでに建築されていた住宅で、工事費用が30万円以上の省エネ改修工事を行った場合、その家屋にかかる翌年度分の120平方メートル相当分までの固定資産税額の3分の1が減額される。
- バリアフリー改修促進税制
- 平成25年(2013年)3月31日まで、賃貸住宅を除く平成19年(2007年)1月1日にすでに建築されていた住宅で一定の者が居住する者について、工事費用が30万円以上のバリアフリー改修工事を行った場合、その家屋にかかる翌年度分の100平方メートル相当分までの固定資産税額の3分の1が減額される。
- 学校法人の非課税
- 国公立学校のみならず私立などの学校法人も教育施設においては固定資産税が非課税となっている。保育及び教育の用に供する土地、建築物や寄宿舎が非課税の対象となる。小中学校、大学のみならず保育園等、学校教育法82条に係る専修学校も含む。